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M8(ミルウォーキーエイト)モデルのハイカム!その1.走りがより楽しく!

(今回は、新型設計エンジンのM8(ミルゥオーキーエイト)モデルにイカムを装着、のお話です。
*内容が長くなるので、2回に分けてご紹介します。

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M8エンジン。分解した箇所にカムが装着されています。*左が純正のカム、右がT-MAN-200ハイカム。
*カム交換の作業工程などは、ブログの ”その2”でご紹介しますので、ぜひそちらもご覧ください!

2017年式ツーリングモデルと、2018年式~の新ソフテイルモデルに搭載された、新型設計エンジンのM8(ミルゥオーキーエイト)。

皆様ご存知のように、排気量は3種類。
1.107”(1745cc)
2.114”(1868cc)
3.117”(1923cc)
それぞれ走行フィーリングは異なりますが、非常によくできたエンジンだと思います。
ただ、お客様からのご不満点としてよくご相談されるのは、下記の3点です。

1.中速でパワーが頭打ちになる感じで、そこから高速域への加速感が物足りない!

2.高速道路で加速したい時に”伸び”がイマイチ。

3.アイドリング~低速域でのドコドコ感が少ない。マフラー音も大人なしくパンチがない感じ。

これらのご不満を解消するために、非常に効果的なカスタムがカムシャフトの交換、”ハイカム”への交換です。
(そこに、適切なインジェクションチューニングを行うことも、また必須で非常に大切です。)

 

では、実際にハイカム交換の作業、データ上の効果、走行インプレッションなどをご紹介していきたいと思います。
今回のブログでは、ハイカム&当店でのインジェクションフルチューニングで、どのような効果が出たかをまずご紹介します。
(データ紹介にご協力いただいた、G様、S様、A様 誠にありがとうございます。)

次回ブログ、その2で実際の作業風景などご紹介したいと思います。

①T-MAN(ティーマン社)製 T-200カム
T-MANは、日本での知名度はあまり高くありませんが、アメリカでは高品質・ハイパフォーマンス部品メーカーとして絶大な信頼を誇るメーカーです。
T-MANのハイカムといえば、T-216が定番品ですが、T-200カムも非常に良いカムなのでおすすめです。

(パワー、トルク測定結果)
*情報更新 2020年3月29日
当店でミルウォーキーエイトへのハイカム装着作業を始めて2年が経過しました。
その間、ハイカムの特性を安全な範囲で最大限引き出す為に、チューニングテクニックの改良、オリジナルデータの作成を突き詰めてきました。
その結果、現在では2年前と比較すると、同じカムでも最高馬力で約5~10馬力、最高トルクは10%程度のアップを実現できるようになりました。
また、低速(低回転)~中速(回転時)での力強さもさらに強化できています。

装着車両例-1)作業実施 2020年 2月 最新の当店チューニング方式実施
・2019年式FXBRS-114”ブレイクアウト
・純正エキパイ+ラインハート3.5”スリップオンマフラー
・スクリーミンイーグル純正ハイフロー エアクリナー
・テクノリサーチ社製ディレクトリンクでのシャシダイナモを使用した精密チューン実施

T-MAN200 比較表 注釈入り

最高馬力 110.83馬力(4000回転付近で100馬力に到達。)
最高トルク 162.43NーM(3700回転付近で最高トルクに到達。)

 

(装着車両例-2)2018年 作業実施(以前のチューニング方式)
・2018年式 FXBRS-114” ブレイクアウト
・純正エキパイ+ラインハートスリップオンマフラー
・PM製 MAX HP エアクリーナー
・インジェクションチューニング・テクノリサーチ社製ディレクトリンクでのシャシダイナモを使用した精密チューン実施。

上記カスタム・ハイカム装着・チューニング後のパワーグラフです。
最高馬力 104.66馬力(4500回転で100馬力に到達。)
最高トルク 162.43NーM(3770回転で最高トルクに到達。)

GOHARASAMA

 

純正カムでのパワーグラフとの比較。
赤線⇒純正カム・純正データ状態でのトルクと馬力です。
青線⇒上記カスタム後(ハイカムとチューニング後のトルクと馬力です。)
ちなみに、純正のパワー数値は
*最高馬力 82.09馬力
*最高トルク 143.28N-M

GOHARASAMA2


*このお客様の車両仕様の場合、低速域でも純正のトルク、馬力を上回りつつ、
3500回転から、ハイカムの本領発揮で純正に比べてパワーが一気に盛り上がっているのが分かります。

*ご注意!再生時、音量ご注意下さい! 今回の車両のハイカム装着後の動画です。

*ハイカムを装着したことで、マフラー音量が図太く、大きくなっています。

(装着車両例-3)*2018年時作業
FXBRS-114”
・バンス&ハインズ ビッグラディウス2-2マフラー
(音量を下げるクワイエットバッフルは未装着です。)
・エアクリーナー アレンネス インバーテッド・10ゲージエアクリ。
・インジェクションチューンは同じくディレクトリンクで実施しました。

SHIBATASAMA

上記カスタム・ハイカム装着・チューニング後のパワーグラフです。
最高馬力 99.92馬力
最高トルク 160.58NーM

*純正カムとのパワー比較。
赤線⇒純正状態のトルクと馬力のパワー曲線です。
青線⇒上記グラフと同じく、ハイカム装着・チューニング後です。

SHIBATASAMA2

*この車両はマフラー、エアクリナー特性もあり、低速~高速までスムーズにパワーアップしていき、
やはり3500回転あたりから、純正とのパワーの違いがはっきりと出て来ています。

*ご注意!再生時、音量ご注意下さい! 今回の車両のハイカム装着後の動画です。

(実際の路上走行でのインプレッション)
(低速~中速域)
114”エンジンモデルは低速でのトルクは、大抵の方は必要十分だと思いますが、T-200によってさらなる向上ができます。
アクセルをゆっくり開けて走行すれば、いわゆるピーキー(過分に反応)することなく、スムーズな走りで疲れません。
ですが、アクセルをいったん戻し、そこからパッカとひと捻りするとかなりドカン!ときます。

(中速~高速域)
ハイカムの本領が一番発揮される部分です。
3500回転からは、純正カムでは味わえないバイクの加速感が体感できます。
信号のない国道や、高速道路でもギュイーンと伸びるので、非常に楽しい乗り味になります!

(最高馬力)
このT-200カムは最高馬力追及型のハイカムではありません。
それでも、マフラーなどにもよりますが、100馬力前後まで無理なく到達します。

逆に、最高馬力を伸ばしたいのであれば、他にいくらでもそのようなハイカムはあります。
ただし、最高馬力追及タイプのハイカムは低速・中速域が純正カムよりもむしろ弱くなってしまう難点があり、日本の走行環境ではあまり実用的とは言えません。
(もちろん、どこを重視するかはお客様のご希望次第です。)

そういう意味では、
T-200カムは、低速から力強さが増し、中速回転~高速までの伸びもにも優れた非常に実用的で、走りも楽しくなるカムと言えます。

(今回の総括)
ME8モデルのエンジンは、特に中速域からの伸びが抑えられているため、本来のポテンシャルを発揮しきれていませんが、適切なハイカムに交換することによって、この点が解消できます。

現在のパワーに十分満足されている方は、マフラー、エアクリーナーの交換とともに、インジェクションチューニングを行えばそれで充分かと思います。

ただ、ガツンというパワー感、中速域での伸びにご不満のあるお客様には、ハイカム交換が非常におすすめです!

*次回のブログ、ハイカムその2では、
①T-200よりもハイパワータイプのT-216カムについて。
~そもそもハイカムとは。
②ハイカム装着時に欠かせない、精密なインジェクションチューニングについて。
など、作業風景を交えながらご説明していきたいと思います!