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M8のハイカム続編。”ハイカムの効果はチューニングの出来次第です!”

今回もM8・ミルウォーキーエイトのハイカムについてのブログになります。
ハイカムを装着した時に、いかにインジェクションチューニング(EFIチューン)が大切かという点を、データを見ながらご説明したいと思います。
せっかくのハイカムもチューニング次第で、能力を発揮できるか、できないか大きく影響してきます。ご参考になれば幸いです!

*今回も出力比較グラフが多く、特にスマホでご覧の方には読みにくくてすみません。
早めにスマホでも快適に見てもらえるようホームページの改良を行いますので、それまでご容赦下さい!

本題に入りますと、
1.ハイカムを装着した場合、ハーレー車体にあるコンピューターの燃料噴射や点火タイミングなど、様々なプログラムの変更が必ず必要となります。

2.このプログラム変更が適切でないと、ハイカムの能力をきちんと発揮できないだけでなく、最悪の場合エンジン破損など非常に危険なことになります。

3.逆に、きちんとしたチューングを地道に行えば、ハイカムの能力をしっかりと引き出し、かつエンジンを痛めることのない状態にすることができます。

 

(チューニング用の商品(ソフト)には必ずベースデータがある。)
チューニングを行う商品にはサブコンと呼ばれるものや、フルチューニング用と呼ばれる商品(チューニング用ソフト)が色々ありますが、どの商品にもメーカーさんが製作した「ベースデータ」というものが大抵あります。
車種や年式、エンジン排気量、マフラーやエアクリナー、カムの種類などによって、適合するデータは異なるため、メーカーさんが色々と基本となるチューニングデータを用意してくれているのです。
通常、まず最初の手順として、最も良さそうなベースデータを選ぶことからチューニングは始まります。

CIMG0532CIMG0533
テクノリサーチ社のディレクトリンクというソフトのベースマップの一部です。
かなり沢山のバリエーションがありますが、そのままで使えるものでは基本的にありません。必ず補正が必要です。

 

(ベースデーターの改善チューニングは必須です。)
ただし、ベースデータは文字通り、あくまでもベースとなるものでしかなく、それを使えば万事OK!というものではありません。
経験的にですが、大抵のベースデータは、空燃比や点火タイミングなどに、実際とは結構なズレが生じていることがあります。
ですので、それをシャシダイナモ上での走行によって、修正していくというメカニックによるチューニング作業が非常に大切になります。

 

CIMG0534CIMG0535
エンジン回転数、MAP(マニホールドの負圧)に応じて、空燃比がどのようにセッティングされているかの3D画像です。左がベースマップ、右が当店で修正を加えたものです。
山が高いほどいわゆる”薄い”状態ですが、このベースマップの設定は日本で走行するにはかなり全体的に薄く、エンジンに負担がかかる設定になっています。

 

最後に詳細はご説明しますが、結論のグラフをまずご紹介します。

①赤線:純正状態
②青線:ハイカム装着&マフラーとエアクリナー交換。
そして、ベースデーターを入れただけの状態
③緑の線:当店でベースデータをシャシダイナモチューニングで修正した後の状態

3段階比較

(ベースデーターからシャシダイナモチューニングによる修正作業の実例)
では、具体的に当店でハイカムを組み込んだ際のチューニングについてご説明していきます。

(車両情報)
・2018年式 FXBB-107”
・装着ハイカム T-MAN社製 T-200
・マフラー:バッサーニ 2INTO1マフラー
・エアクリナー:TBR製 ハイフロータイプ
・チューニングソフト:テクノリサーチ社 ディレクトリンク(ダイレクトリンク)

1.まずテクノリサーチ社が提供してくれているベースデータの中から、最適なものを選択します。
下のグラフは、
(ベースデータを入れただけの状態での出力グラフ)こんな感じになりました。
ベースマップ T-200-FXBB-107 JPEG

これを見ただけでは、他との比較がないので出来、不出来がよく分かりませんね。

2.次に、

(完全純正状態のFXBBで事前に測定した出力グラフとの比較)をしてみましょう。

赤い曲線⇒完全純正状態
青い曲線⇒メーカーのベースデーターを入れただけの状態。

チューン大切・純正とベースマップ比較

どうでしょうか?このグラフだけ見れば、

「おお!3000回転あたりからのパワーアップがすごいやん!」と思えます。
実際にこの状態で、つまりベースデータをいれただけの状態(シャシダイナモでのチューニング補正をかけていない状態)でご納車しても、お客様によっては走りに納得してもらえるかもしれません。ただ、3000回転までの低速~中速域での変化は感じられないということにもなります。

(シャシダイナモチューニングによる修正作業開始。)
上で述べたとおり、ベースデータを入れただけでも、中速域からは大きくパワーアップしています。
しかしです、この状態でのガソリンと空気の混合比、空燃比というものを実際に測定すると、かなり良くない状態が起こっています。
また、このカムの本当のポテンシャルが発揮されているのか、まだ分かりません。

CIMG0536

 

3、(チューニング途中の段階とベースデータとの比較)
そこで、まず空燃比が良くない(ズレている)箇所を修正していきます。
下のグラフは調整途中の段階で測定したものと、最初のベースデータを入れただけの状態を比較したものです。

チューニング途中
・低回転でのトルクや馬力⇒改善されました。
しかし、
・中回転でのトルクは逆にベースデータより下がってしまいました!
まだ改善の余地ありです。
・中速~高速域でも特に変化がありません。これもまだ改善できそうです。

4.(チューニング途中の段階とチューニング完了時の比較)
空燃比をさらに煮詰めると同時に、他の要素も慎重にセッティングしていきます。

チューン途中と最終

セッティング初期段階にくらべて、

・低回転域がさらに向上。中回転域での伸びも改善。
・高回転域の馬力も向上しました。

これ以上の馬力追及は危険なのでここでストップです。
各カムやマフラーの組み合わせでの最高馬力はだいたい決まっています。
お客様は最高馬力が伸びると喜んで下さるのですが、当店ではエンジンを痛めないことを最優先したチューニングに留めるようにします。

 

5.(ベースデータとチューニング修正完了時の比較)

最初のベースデーターを入れた状態とチューニング完了時で比較してみると、その差は歴然!

ベースデータと最終チューンチューシャシダイナモチューニングでの修正効果がよりはっきりと分かりますね!

①低回転域~中回転域が大幅に改善されました。

②ベースデータでは波形が乱れていますが(燃料噴射にバラツキがある)、チューニング後は曲線が滑らかになっています。これは、エンジン内の燃焼状態が安定したことを表しています。

②4000回転からトルク、馬力ともにまだ伸びます。中高回転域でもハイカムの特性がきちんと引き出されました。

 

6.(純正状態とベースデータ、チューニング修正後の3段階比較)

かなり見にくいですが、
チューニングを煮詰めていくことによって、どのように純正と、またベースデータと差が出ているかがよく分かります。
好きな方には面白い比較表かと思います。

3段階比較

:1500回転~3000回転までのトルク、馬力がかなり向上しています。
:3000回転~4500回転の加速域も安定。
;4500回転~6000回転弱の高速域も無理なく向上してます。

 

8.(純正状態とハイカム&チューニング完了後の比較データ)

お客様にお渡ししているのが、この比較グラフです。
純正状態からの差がはっきりとお分かり頂けるかと思います!

青線が純正状態でのトルクと馬力
赤線が当店でハイカム装着後、ベースデータを修正したあとの完成状態です。

純正と最終チューンの比較

 

 

↓こっちが最初のベースデータを入れただけの状態と純正の比較です。↓

チューン大切・純正とベースマップ比較

ハイカムを装着した際に、いかにシャシダイナモでのセッティング修正が重要かお分かりいただけたかと思います。

今回は以上となります。長々となりましたが、読んでくださってありがとうございます!

 

(ご参考事項・サブコンピューターについて。
今回はフルチューニングソフトのベースデータのズレに関してご説明しましたが、他にベースデータのずれがより分かりやすいのが、いわゆるサブコンです。

サブコン使用のお客様がどうも走りがスムーズでないと感じられる場合が、まさにベースデータのズレの典型例です。
サブコンは、基本的にベースデータを入れるだけの商品の為、実際の車両の状態とデータにズレが出てしまい走りの悪さに繋がることがあります。
商品によっては(バンス&ハインズのFP3など)オートチューン機能というものがありますが、実際にはほとんど効果は期待できません。
(*当店でのテスト実績からの意見です。)
特にハイカムを入れた場合は、よりシビアなセッティングが必要な為、当店ではハイカムとサブコンの組み合わせはおすすめしていません。

やはりお値段なりの精度かと思います。
(ちなみに、サブコンを使用してベースデータからフルチューニングを行うという方法も一部の商品では可能です。これは話が長くなるのでまた別の機会に。)