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~2020年式XL883系の1200ccボアアップ化 (前編)

今回はインジェクションXL883スポーツスターの1200ボアアップ化のご紹介です。
883系のオーナーさんで、パワーに物足りなさを感じている方におすすめの定番カスタムです!

(作業実施車両)
・2017年式 XL883N・アイアン
・作業前は、純正マフラー一式&アレンネス10ゲージエアクリーナーという仕様。
それに合わせて、当店でインジェクションチューニングのみを行わせてもらった車両です。
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作業実施前の状態。

 

(使用商品)
・S&S製 1200コンバージョンキット(ブラック)

 

 

S&S1200
ご存知のように1200化には、いくつかの方法がありますが、
今回は、ヘッドは純正883を再利用し、シリンダーとピストンを1200サイズに交換するタイプの商品を使用したボアアップです。

(作業風景)

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まずはマフラーや、エアクリーナー、スロットルボディーなど周辺部品をはずして、
ロッカーカバーまで分解。分解した部品や、ロッカー内の状態もチェックします。

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ロッカー部を分解したのち、ヘッドと純正シリンダーまで分解。
883の純正ピストンもはずします。

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右が純正883のシリンダーとピストン。
左がS&S製、1200新品シリンダーとピストンです。
ピストンサイズと、シリンダーの直径がかなり違いますね!

また、取り外したピストンに結構カーボンスラッジが発生していますね。

チェックするとわかるのですが、ほとんどがブローバイオイルの燃えカスで、
ガソリンのスラッジはさほど多くありません。
(このあたりのお話は、また改めてしたいと思います。)

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新品のピストンリングのエンドギャップや、サイドクリアランスを点検。
ピストンリングは長めのものが入っていることが多いですね。
(長い分には、削って調整できますが、短い(小さい)場合はリングを買い直す必要があるため、そのようになっているのでしょう。)
今回も規定値よりもエンドギャップがいくつかのリングで小さすぎたため、専用工具で削って適正値に調整しました。

また、ピストンとシリンダーのクリアランスも同様で、ややきつめのクリアランスの状態のものが経験的にですが多いので注意が必要です。
特に、大排気量のボルトオンキットは、ショップレベルでの測定では限界があると感じますので、専門業者さんに精密測定してもらい、必要に応じて再ホーニングしてもらうことをおすすめします。

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サイズ測定した新品ピストンと1200シリンダーを組み上げていきます。

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いつもの作業となめることなく、純正整備マニュアル、パーツリスト、S&Sの付属説明書で組み付け手順、トルク値などを念入りに確認します。

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純正883シリンダーと外観上はほとんど見分けがつきませんが、シリンダー下部にさりげなく”S&S”のロゴが。
問題なくエンジンが組めたことを確認したのち、周辺部品を取付ていきます。
いよいよですね!

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今回は1200化と同時に、マフラーを純正からV&Hのショートショットに交換のご依頼も頂きました!
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エンジンの1200化よりもマフラーのスタイルの違いのほうが目立ってますね。
しかしです、次回のブログで883から1200ボアアップでのパワーアップをご紹介していきますが、そのパワーの差は歴然!オーナー様にも別物となったと喜んでもらえました。

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新車と同様(新車以上に)慣らし運転が非常に大切です。
まずはインジェクションチューナー(ディレクトリンク)で慣らし走行用の安全なデーターをインストールします。

S&Sの1200キットは最初の100マイルまでを異常なほど慎重に行う必要がありますので、当店のシャシダイナモ上で、エンジン温度や空燃比をチェックしながら走行させます。
あとは、お客様に800キロほど慣らし運転を慎重に行う用お願いして、いったん終了です。慣らし走行後、再度オイル交換等を行い、いよいよ本格的なチューニングです。
結果とインプレッションは次回のブログで!